面接応用編

その沈黙、落ちる原因かも?就活で差がつく「即答力」の鍛え方

なぜ「話しながら考える力」が就活で必要なのか

就職活動では、「結論からわかりやすく話す力」が求められます。ですが、それと同じくらい重要なのが、“話しながら考える力”です。

たとえば面接では、想定していなかった質問が飛んできます。準備していない内容に対して、その場で自分の考えを組み立てながら、相手に伝わる言葉で話す力が求められます。これは単なる「暗記型」の対策では太刀打ちできません。

また、グループディスカッション(GD)では、他の人の意見を聞きながら、自分の意見を再構築し、リアルタイムで伝える場面が多数あります。これも“話しながら考える”力が問われる典型的な場面です。

「話しながら考える力」が弱い人の特徴

以下のような傾向がある人は、まだ“話しながら考える”スキルが育っていない可能性があります。

  • 沈黙が長く、なかなか話し始められない
  • 話しているうちに話が脱線しやすい
  • 質問の意図とズレた回答になる
  • 言葉を選びすぎて詰まる・止まる

このような状態は「頭の中の思考」と「口から出る言葉」が分離していることが原因です。練習によって、思考と発話を同時並行で行うことは誰でも可能です。

話しながら考える力を鍛える3つの練習法

① 1分スピーチトレーニング(1日1テーマ)

やり方:
1つのテーマを決めて、1分間で即興スピーチをします。重要なのは、準備をせずにすぐ話し始めること。

テーマ例:

  • 今朝の出来事
  • 最近うれしかったこと
  • もし明日休みだったら何をする?
  • 好きな食べ物とその理由

POINT
  • 結論から話すことを意識
  • 詰まっても止まらない
  • 終わった後に録音を聞いて改善

実例:
「最近うれしかったこと」で1分スピーチ
→「先日、内定をもらった企業からフィードバックをいただけたことです。特に、笑顔と受け答えのテンポが良かったと評価してもらえ、自信につながりました。これまで意識してきた練習の成果が出たと感じられた出来事でした。」

② オウム返し+自己意見の練習(模擬対話)

やり方:
相手の話を**オウム返し(要約)**してから、自分の意見を続ける練習です。これは、話しながら考える訓練と、傾聴力の向上にもつながります。

フレーズ例:

フレーズ例
  • 「〇〇さんは〜とおっしゃっていましたね。私は〜だと思います」
  • 「それに加えて、私は〜と考えます」

実例:
GD練習で、他の就活生が「空港の待ち時間を快適にするサービス」として「ラウンジの無料開放」を提案。
→「ラウンジを無料開放するという案、確かに魅力的ですね。ただ、コストや混雑も心配です。私は“空港内を探検できるARイベント”のような体験型サービスを加えるのも面白いと思いました。」

③ ChatGPTを相手に「ひとり模擬面接」

やり方:
ChatGPTのようなAIに、「面接官役」になってもらい、質問を投げてもらう形式の練習です。

プロンプト例:

「あなたは面接官です。私に、就活の面接でよくある質問をしてきてください。」

→ ChatGPTが質問 → すぐに声に出して答える

活用ポイント:

  • AIは間髪入れずに質問を返してくるので即興性が鍛えられる
  • 話す前に文章を組み立てず、まず話し始めることが大切

実例:

質問:「あなたの長所と短所を教えてください」
回答:「私の長所は粘り強さです。高校時代の陸上部では…(中略)一方、短所は慎重になりすぎる点です。ですが、期限を決めて決断する癖をつけることで改善中です。」

話しながら考える力をさらに伸ばすために

◆ 構造的に話すクセをつける

PREP法(Point→Reason→Example→Point)など、話の構造を意識しておくことで、頭の中で自然と“話す型”が形成されます。

例)
「私が大切にしているのは、傾聴力です。(Point)なぜなら、相手の気持ちを理解することで関係性が深まるからです。(Reason)実際に、アルバイト先で…(Example)だからこそ、私は今後も相手に寄り添う姿勢を大切にしていきたいです。(Point)」

◆ 日常からアウトプットの習慣を

日々の出来事を「誰かに説明する」つもりで言語化することで、自然と“思考と言葉”の同時処理が鍛えられます。

就活本番で「話しながら考える力」を活かす場面

● 個人面接

想定外の質問や深掘りがあっても、冷静に言葉を選びながら対応できる力があると、「柔軟性」「本質的な思考力」が評価されます。

● グループディスカッション(GD)

他人の意見を聞きつつ、その場で意見を構築・発言する必要があるGDでは、「話しながら考える力」がなければリードは取れません。

● AI面接(SHaiNなど)

AI面接は、人間よりも“間”を許してくれません。1つの質問に対して、長く・正確に話す力が必要で、「とりあえず話し始める」姿勢が大切です。

おわりに|即答力は“後天的に”鍛えられる

「頭の回転が速くないから…」と諦める必要はありません。話しながら考える力は、日々のトレーニングで確実に伸びていきます。

就活の場面だけでなく、社会人になってからも必要なスキルです。今日からできる練習を継続し、「話しながら考えられる人材」として一歩抜きん出ましょう。

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