
はじめに|なぜ「挫折経験」を聞かれるのか
就活の面接でよく聞かれる質問のひとつが「挫折経験を教えてください」です。
多くの学生が「大きな失敗をしていないから答えられない」と悩みますが、面接官が知りたいのは「失敗の大きさ」ではなく「壁にどう向き合い、どう成長したか」です。
つまり、人生を揺るがすような挫折がなくても、小さな失敗や思うようにいかなかった経験を取り上げれば十分。
この記事では、挫折経験がないと感じる人でも答えられる方法と具体例を紹介します。
1. 挫折経験がないときの答え方の考え方
① 「失敗」や「壁」と言い換える
挫折=必ずしも「大きな失敗」ではありません。
「練習しても成果が出なかった」「初めはうまくできなかった」という小さな壁も立派な挫折経験になります。
② プロセスにフォーカスする
面接官は結果よりも「どう乗り越えたか」を重視します。
- どんな状況で
- 何に苦しみ
- どう工夫して
- 何を学んだか
この流れを話すことが大切です。
③ 再現性を意識する
「その経験から学んだことを今後どう活かすのか」まで話せると、説得力が一気に増します。
2. 答え方の基本フレーム(STAR法)
挫折経験を整理するときは STAR法 を使うと分かりやすいです。
- Situation(状況):どんな場面でのことか
- Task(課題):何が難しかったのか
- Action(行動):どう行動・工夫したのか
- Result(結果・学び):結果どうなり、そこから何を学んだか
👉 この流れに沿って話すと、論理的で面接官に伝わりやすくなります。
3.就活で使える挫折経験8選(例文付き)
① 部活動でレギュラーを外された
私は部活動でレギュラーから外れた経験があります。練習量に満足して努力を怠ったことが原因でした。そこから自主練を増やし、仲間からアドバイスを積極的に受け入れた結果、最終学年で再びレギュラーに復帰できました。この経験から、慢心せず努力を続ける大切さを学びました。
② 学園祭の企画が失敗に終わった
学園祭でイベントを企画した際、集客不足で成功とは言えない結果に終わりました。準備段階で宣伝の工夫やリスク管理が足りなかったと反省しました。その後、次のイベントではSNSやチラシを活用し、参加者数を大きく伸ばせました。計画性と広報力の重要性を学んだ経験です。
③ 資格試験に一度落ちた
挑戦した資格試験に落ちたことは大きな挫折でした。原因は勉強時間は確保していたものの、効率的な勉強法が取れていなかったことです。そこで、過去問演習や勉強法の見直しを行い、次回は合格できました。改善と継続の姿勢を培うことができました。
④ グループワークで意見をまとめられなかった
大学の授業でのグループワークで、意見が対立したときにうまく調整できず、発表内容が中途半端になった経験があります。リーダーとして責任を感じ、次回以降は議論の途中で相手の意見を整理し、全員が納得する形を意識するようになりました。その結果、後の発表では高評価を得られました。
⑤ アルバイトで売上目標を達成できなかった
アパレルショップのアルバイトで、売上目標を任された際に結果を出せず挫折しました。お客様に合わない提案をしていたことが原因でした。その後、丁寧にヒアリングする姿勢に切り替え、翌月には売上を大きく伸ばせました。工夫と改善が成果につながることを学びました。
⑥ ボランティア活動で人を集められなかった
地域清掃ボランティアを企画したものの、当日は参加者が集まらず挫折しました。自分の思いだけで動き、相手への伝え方が不足していたのです。次回はSNS告知や地域団体への協力依頼を行い、多くの人に参加してもらうことができました。「相手目線」で動く重要性を実感しました。
⑦ 資格試験で二度不合格になった
資格試験に2度連続で不合格となり、強い挫折を味わいました。知識を暗記するだけで、活用力が足りなかったことが原因です。そこで、演習中心の学習に切り替え、3度目で合格できました。この経験から「粘り強さ」と「改善力」を学びました。
4. 挫折経験のよくあるNG回答と改善法
NG①「特に挫折はありません」
- 問題点:成長経験がないと見なされる。困難を避ける姿勢=仕事でも逃げるのでは?と疑われる。
- 改善法:大きな失敗でなくてもOK。小さな困難や失敗から「学んだこと」を語る。
改善例
大きな挫折はありませんが、部活動で役職に就いた際に最初は仲間をまとめきれず苦労しました。そこで全員と個別に話す時間を取り、徐々に信頼関係を築くことができました。この経験から、周囲の意見を丁寧に聞く姿勢の大切さを学びました。
NG②「○○のせいで失敗しました」
- 問題点:他責思考に見える。協調性や改善力がないと評価される。
- 改善法:原因は自分の行動に引き寄せ、「次にどう改善したか」を強調。
改善例
学園祭の企画で集客が伸びなかったとき、当初は“天気のせいだ”と考えていました。しかし、振り返ると宣伝方法が一方的で工夫が足りなかったことに気づきました。次の企画ではSNSを活用して周囲に広め、集客を大幅に改善できました。
NG③「挫折したけど、特に何もしていない」
- 問題点:行動が伴わず、成長につながらない答え。
- 改善法:失敗後に「工夫した」「努力した」プロセスを必ず入れる。
改善例
資格試験に一度不合格となり、最初は落ち込んでしまいました。しかし、勉強法を見直し、演習中心に切り替えた結果、次の試験で合格できました。自分の弱点を分析して改善する力を身につけられました。
NG④「辛かったけど、気合で乗り越えました」
- 問題点:根性論だけでは具体性がなく、再現性がない。
- 改善法:気合ではなく「具体的な行動」と「学び」に置き換える。
改善例
アルバイトで売上目標を達成できず悔しい思いをしました。そこで先輩に相談し、接客時にお客様の要望を丁寧に聞き取る工夫を加えた結果、翌月には目標を達成できました。この経験から、改善行動の大切さを学びました。
NG⑤「失敗談を長々と語ってしまう」
- 問題点:話が冗長で、結論や成長が伝わらない。
- 改善法:PREP法(結論→理由→具体例→まとめ)を使う。
改善例(PREP法)
私の挫折経験は部活動でレギュラーを外れたことです。(結論)
努力を怠ったことが原因でした。(理由)
自主練を増やし、仲間にアドバイスを求めた結果、最後には復帰できました。(具体例)
この経験から、慢心せず努力を続ける重要性を学びました。(まとめ)
5. まとめ|挫折経験は“大きさ”より“向き合い方”
- 挫折経験は小さな失敗や壁でもOK
- 大事なのは「どう乗り越え、何を学んだか」
- STAR法で整理すると論理的に話せる
- 面接官は「あなたの人柄」と「成長力」を見ている
👉 「挫折経験がない」と悩む人ほど、日常の小さな壁をどう乗り越えてきたかに目を向けてみましょう。
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